私より私へ

自分のために書いています。

巣立ち

6月下旬

スズメたちが巣立ち始める時期

散歩をしていたら

道路に立ち尽くしている一匹のスズメがいた。

おそらく巣立ちしようとしている

スズメの雛だろう

親鳥が時折

餌を与えにおりてくる。

餌を与えた後

必死に木の上から呼んでいるのに

雛はいっこうに飛び立とうとしない。

地面に落ちている木の枝をつついたり

ちゅんちゅん鳴くだけ。

親が下りてきたときだけ

餌をもらいに行く。

すぐにでも飛び立たないと

車にひかれるかもしれない

他の動物に食べられるかもしれない

人間につかまってしまうかもしれない

 

親は必死に呼びかける

早くこっちにこい、と。

なぜなら知っているから

そこには危険がたくさんあって

そのままいたら危ないということを

本能と経験で

 

でも雛は知らない

そんなことはお構いなし

餌をくれるのを待つだけ

 

まるでどこかの誰かさんみたい

 

30分くらい見ていたけど

雛は結局飛ばなかった。

ただ親がうまく誘導したようで

茂みに入っていった。

(帰る間際に飛び出てきたけど)

 

いつか飛び立つのだろうか

人間に拾われて飼われるのだろうか

それとも死ぬのか

誰にもわからない

 

2019年6月28日